養育里親さんにインタビュー
「里親さん」をされているのはがどんな方なのか、どのような思いでされているのか聞いてみたい!ということで、
実際に里親になってみてどうだったかなど、篠原さんご夫婦にお話を聞かせていただきました。
篠原さんは「養育里親・ふれあい里親」をされており、赤ちゃんや幼児さんから、小学生までの子どもを短期で預かっているそうです☆
くれくれ・ば研修室にて
『 いつから里親をしているのですか?なぜなろうと? 』
里親は3年前からしています。もともと25年間幼稚園の先生をしていました。その頃に、園で預かっている子どもが施設に行くことになった事がありました。その時はまだ、私には知識がなくて、里親というのは養子縁組して育てるものだと思っていたので、「それはできない!」と思いました。その後、その子はどうなったかもわかりません。施設にひきとられた、としか・・・。
そのことがショックでずっと心に残っていて。
そして5年前、親の介護をするために、幼稚園を辞めました。その時「今なら里親ができるかも?」と思って、西部こども家庭センターに連絡したんです。そこでビックリ、知らなかった!!養育里親には長い間子どもを育てる里親だけでなく、短期間子どもを預かる里親もいると知り、私たちにもできるかも・・・と思いました。
『 いくつくらいの子どもを預かっているのですか? 』
最初は生後3週間の赤ちゃんから預かりました。今は幼児さんも預かっています。初めは小さい子を抱っこすると固まっていた夫も、今では、子どもとお風呂に入れるようになりました。
私はファミリーサポートを20年(立ち上げから)やっていて、そちらでは子どもが大きくなるまで預かっています。
長く預かっていると子どもは、「ちょっとだけ来る」から「自分で遊びに来る」ようにもなり、我が家は「もう一つの家」くらいになっています。
だから、里親で預かる子と、ファミサポの子がまるできょうだいみたいになっていて、家に4~5人にわらわら(賑やかに過ごして)いるような時もよくあります。
おもしろいもので子どもたちは、その日によってお姉ちゃんになって下の子のめんどうをみたり、お兄ちゃんができて遊んでもらったり、今日は一人っ子で甘える日、などいろんな役割をします。
子どもが赤ちゃんのミルクを作って飲ませてあげたり、おしりふきを持って来てくれたり、子どもたちも子どもの育て方を知っていく、難しいことは何もなく幸せな時間です。
『 子どもたち楽しそう♪ でも、里親になるってすごいですよね 』
「この子たちを助けるため」とか、エライ、立派な、何かをしてあげているという感覚はなくて。一緒にごはんを食べて、遊んで、寝て、もうそれは家族ですよ。皆さんも子ども育ててるでしょ?
子どものお母さんやご近所さん、友人たちも家に来たりするんです。いろんな人がいろんな子どもをみてくれるので、「里親になりました」という感覚はないんです。
気持ちとしては初めの「一人でも助けることができたら」から、「自分たちの家庭が助かっている」に変わっていきました。今では、子どもたちがいない頃よりも、いる方が家は落ち着いています。
中には、預かった時にご飯を食べられていないという子どももいました。でも、うちで一緒に生活して、ちゃんと食べられるようになる・・・子どもは自分で育つ力を持っていて、私たちはちょっと協力するだけです。あとは自分と周りの環境が育てるんですね。
『 素敵ですね!お家のいい雰囲気が伝わってきます 』
そうですね、一つ自慢ができるのは、私たちは夫婦の仲がいいんです。それを子どもが感じられる。うまくいく夫婦(家庭)もあるということをね。
夫婦ですから、もちろんいろいろ思うこともありますが、子どもの前ではケンカしないようにしています。
私も子どもも夫のことを「じぃ」と呼んでいますがそれは、じいじのじぃではなく、王子様のおう「じぃ」だと子どもは言います。
嘘をつかないと子どもと約束していて、かたつむりやダンゴムシを飼っていいよと言ったら飼う。家の中は人も物もあふれていてぐちゃぐちゃだけど、いつも笑いだけは絶えないです(笑)
『 里親をしたら生活は何か違いますか? 』
私にとっては親戚の子が遊びに来る感じ。変わるのは洗濯物の量が増えることくらいかな(笑)そう、ものすごく増えます!!あとは、ファミサポも里親も、夫の理解がいるかな。
今ファミサポをされているお母さんだと、里親とファミサポとそう差はないですよ。どっちからくる子どもも預かることに変わりはないです。たくさん里親さんがいたら、うちが預かれなくても安心できるから広めないと!!
『 ほんと、もっと知ってもらいたいですね! 』
そう、みんなが里親制度を知って、うちでもできる!そう思ってもらいたいですね。
じぃより 「うちは短期だから、この子の将来に責任を持たないと、というプレッシャーを感じずにすむ。 だから、怒ったりする必要がなくて、うちにいる間はひたすらかわいがります(やさしい笑顔で)。」
私は一人では育てていないと思ってて、いいとこ取りをしている感じ。大変なことはみんなで分け合って、楽しい所だけ、いいところだけもらって育ててるという感じですよ。
『 なるほどいいとこどりなんですね♪ 篠原さんのような前向きで楽しい方が里親をされていると思うと、預ける側としてはとっても安心します。素敵なお話、ありがとうござました!! 』
取材者の感想
篠原さんのお話を聞く前、里親をされている方は広島県には少なく、預けられなくて県外にお願いしないといけない時もあると聞いてて、里親ってものすごく大変なんだろうなぁと思っていたのですが、全然イメージが違っていました!預かる側も楽しんでいること、子どもと一緒に過ごす時間をとっても大切にしておられることがよく分かりました。もっと知ってもらって里親さんが増えたらいいなぁと思いました。
インタビューの間中ずっと笑顔で、楽しそうに話をしてくださる篠原さんご夫婦。ほんと、とっても素敵なお人柄が感じられるお話でした。
子どもを預けないといけなくなる事情は様々だと思います。例えば夫が単身赴任中にお母さんが病気で急きょ入院に!っていうこともあるかもしれないし、困った時にSOSが出せるところがあるのを知っておくことは大事。こんな素敵な方が預かってくれるなら安心だな~って、思いました。(てんこ)
記事・WEB:てんこ
イラスト提供:
この記事は2020年7月に作成されました
この記事は、パステルHP過去記事より引用しています。